
こんばんは!
シムラタケシ編
いよいよ最終回です。
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メジャーデビューを夢見て上京し
メンバー間の分裂、家を無くし
先輩の家に転がり込み
実家へ帰郷後
再度東京で頑張るぞ!!
と息巻いて新生活を始めるも
その数ヶ月後にMLMにハマり
ほんの少しの成功に自惚れ
気づけば21歳で借金400万円…
そんな無自覚の底から
手を差し伸べていただいた。
それから6年間
俺はゆみさんに
ありとあらゆることを学んだ。
①仕事のこと
②お金のこと
③人のこと
④大人のこと
これからまとめて書いていく。
◇仕事のこと◇
とにかく
『休むな』と叩き込まれた。
会社自体は土日祝だが
休みは休むためにあるわけじゃない
お前は違う、『仕事』をしろ
と叩き込まれた。
ただ、
これは25歳くらいから。
休みの日も会社に来て
仕事をするわけではなく
頭は常に仕事のことを考えろ
そういった意味だが
そもそも仕事というのは
言われたことをやることではない
何が必要か?を自分で考えろ
相手が何を欲しているかを考えろ
バカなふりをして盗め
3歩先を考えろ
後ろにも目を付けろ
男は仕事ができてなんぼではなく
男は仕事を作り出せてなんぼ
これを25歳からの2年間叩き込まれた。
本当にしごきのような2年間だった。
俺は胃潰瘍になり
水も受け付けられないほど
精神的にやられたが
このおかげで
自分への基準が高くなり
飲食店の時も、講師の時も
努力することができたんだと思う。
◇お金のこと◇
『お金に誠実であれ』
お金に誠実でない人は
お金からも誠実にされない
一言でまとめると
こんなことを叩き込まれた。
だが、俺にはこれが難しかった。
というより
誠実であるということが
どんなことなのかが
理解できていなかった。
それは後ほどお伝えする
『大人』になりきれていなかったからだ。
一つエピソードを話そう。
毎月の給与から
ゆみさんへの返済もしていたのだが
何かあった時のために
貯金もしはじめていた。
その貯金が
20万円くらいになったころ
先輩お姉さんから
こんなことを聞かれた。
先輩:「ねぇ、公亮
最近どうなの?ゆみさんへの返済も
ちゃんとやってるし
貯金とかもできてるの?」
(先輩は俺が会社に入った経緯を知っている)
葉山:「はい!おかげさまで
毎月ちゃんと生活できています。
ゆみさんだけじゃなく
他のところも返済できていますし
20万円ほど貯金もできました!」
先輩:「そうなのね!それは良かったね!
ただ、貯金してることに違和感ない?」
葉山:「え?貯金ですか?」
先輩:「そう、貯金。」
葉山:「何かあった時のために
少しは貯めとかないとな
と思って…」
先輩:「それは分かるよ!
だけどさ、貯めることより
やることがあると思うんだよね。」
これはゆみさんが先輩に
俺にお金の大切さを教えて欲しい
そう言われて伝えてくれたんだと思う。
決して貯金をするな
ということを伝えたかったわけではないし
欲しいものを買うなという意味でもない。
ただ、お金に対して
優先順位をつけられる人間にならない限り
また同じ過ちを犯す
ゆみさんはそう思ってくれていたのだろう。
俺は、ゆみさんは裕福だし
お金に困ってるわけでもない
だから、少しずつでも
毎月ちゃんと返すことが大事なことだと
思っていた。
俺は、お金だけを見て
相手の心が見えていなかった。
どんな思いで封筒を渡してくれたのか
どんな思いで会社に置いてくれているのか
それと同じ思いで接することができているか?
そのことを突きつけられた。
お金は器だ。
お金が汚いのではない
お金に対して汚い心を向けているだけ
お金が卑しいのではない
お金に対して卑しい心を向けているだけ
そして、お金には行き先がある
これはお金自身が自覚をしている
だけど、その行き先を
持ち主が間違えてしまうと
その持ち主は
あらぬところから
お金を没収されることになる。
◇人のこと◇
いいか公亮
人をよーーーーく見とけ
口を酸っぱく言われた。
腹の中を見とけ
そう言われた。
人間は全部外側に出る。
言葉に惑わされるな。
そして、人は本当に弱くて脆い
強い人間なんて
一人もいないんだよ。
みんな歯を食いしばって生きてる
みんな必死で生きてる
だから弱くもなるし脆くもなる。
今日良くても
明日転がり落ちる連中が
ゴロゴロいる。
ちょっとした失敗で
見事に人生が壊れる人も
ゴロゴロいる。
お世話になった人のことも
忘れてしまう人たちばかりだ。
あれだけお世話になりました!!
と言ってた連中が
一気に手のひらを返し始めて
陰で悪口を言い出したりする。
私も旦那もそんな人たちに
たくさん出会ってきた。
夜の世界なんか酷いもんだった。
上手くいったのは自分の手柄
失敗したのはあいつのせい
そんな人たちが多い。
いいか?だからこそ
人をよーーーーーく見ておきなさい。
いいか?そんな人たちに出会っても
お前は何もしなくていい。
それはその人たちが
何らかの形で自分でいつか
ケツを拭くことになる。
あいつって指差す時
中指と薬指と小指は
自分の方を向いてるだろ?
ちゃんと返ってくるから
お前は一緒になるな。
◇大人のこと◇
早く大人になれ
毎日のようにこれも言われていた。
大人になれ
これは責任の範囲を広げろ
という意味だ。
別の言い方をすると
自分ごとの範囲を広げろ
という意味だ。
自分の責任は自分で取る
これは当たり前のこと。
あんたは私がケツを拭いたから
まだまだガキンチョ
年齢だけ大人。
中身は子供よりタチが悪い。
まず自分で自分の責任が
取れるようになったら
次は一番身近な人たちの
責任を取れるようになりなさい。
それは家族。
あんたの
じいちゃん、ばあちゃん
お母ちゃん、おばちゃん
何か困ったことがあったら
あんたが力を出しなさい。
そのためにも
稼げるようにならないと
共倒れする。
そして、大人とは
一旦自分のことを脇に置ける人のこと。
お前はまだまだ自分本位
自由を履き違えるなよ。
自由には責任が伴う
自分で自分の責任も取れないのに
自由なんて求めるな
その資格がないことをわきまえなさい。
いいか?
責任が人を育てる
責任が人を大人にする
そして
その責任は自分でコントロール
できるようにならないとダメだ。
誰かに責任を取れと
責められるようなことでもない
自分で自分をコントロールできるように
ならない限り
本当の意味で
責任感のある大人にはなれない。
人間はいつだって無責任になれる。
だから責任から逃れようとするな。
ずいぶん長くなってしまったが
これでもかなり端折っている。
6年間で学んだことも
これだけではないが
主となることをまとめてみた。
このことを理解できるようになるまでには
相当の年月が必要だったし
今でも出来ているとは思えない。
日々成長だ。
きっとゆみさん自身も
常に自分に言い聞かせてきたこと
だったのだろう。
この6年間で学んだことが
今も俺の中にはしっかりと根付いている。
ブレそうになる時
自分に甘くなってしまう時
ズルをしたくなりそうな時
ゆみさんの声が聞こえてくる。
「あんたねーーーーー
いい加減にしなさいよーーーーー!!」
完
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