シムラタケシ編⑥:俺と自由

葉山

こんばんは!
今日はパリソバが歯茎に縦に刺さって
大変でした。
おほん、そんな話は
どうでもいいんですけど
200万円を渡された
シムラタケシ改め
葉山青年はどうなっていくのでしょうか〜〜



突然封筒を渡され
受け取った瞬間に
中身が分かってしまった。

その重みに
俺は両手を震わせていた。

ゆみさん:「そこに200万円入ってる
     私が指定するところに返済してきなさい
     残りの分は働いて自分で返しなさい。」


血の繋がりもない
会うのは2度目の方に
甘えるわけにはいかない。


いくら母親との繋がりがあるとはいえ
そんな関係ない方に
迷惑をかけるわけにもいかない。


恐る恐る封筒の中身を見てみると
そこには札束が入っていた。


200万円


見たこともない量だ。


俺はこの金額の倍
借りているってことなのか…


本当にとんでもないことをした。


ゆみさんが比較的裕福であるという話は
子供の頃から耳にしたことがあった。


ご主人も経営者で
ゆみさん自身も経営者だから
幾ばくかの余裕があるというのは

世間を知らない俺から見ても
住んでいるマンションでわかる。

かといって
その金額を稼ぐために
何年間頑張ってきたのか
どれだけの苦労を乗り越えられてきたのか

それはまだ当時の俺には分からなかったが
今ならよく分かるつもりだ。



200万円を封筒に入れて渡すなんて
お金があったにしても
できることじゃない。


それを持って逃げられることだってある
1円も返ってこないことだってある。


あげるつもりで渡すしかないが
そんな簡単にあげられる金額ではない。


いや、これは金額の問題ではないし
あげるとかあげないといった問題でもない。



この決断に至るまでのプロセスを考えるだけで
今でも涙が出そうになる。



あの200万円を
銀行から引き出す時
どんな思いだったろうか


どんな思いで
銀行へ向かっただろうか


どんな思いで
封筒へ入れたのか


どんな思いで
俺に電話をしてくれたのか。



当時の俺には
そんなことを理解できるわけもなく
目の前で起きていることでさえ
全く理解が追いつかなかった。


ただ、受け取ってはいけない
そんな気持ちだけが
頭の先から足の先まで
じわ〜〜〜っと沁みていた。


今なら分かる
そんなことを思っていたから
俺はうまくいかなかったんだと。


葉山:「い、いやいや
   こんな大金受け取れないです。
   借金は自分で稼いで何とかします。」

葉山:「お気持ちは本当にありがたいです。
   頑張って返していきますので
   これは受け取れないです。」

俺は精一杯に頭を下げて
自分が何をしたのかを自覚し
心を入れ替える覚悟を伝えた。

つもりだった、、、


しかし、俺のこの態度が
ゆみさんの逆鱗に触れてしまった。


ゆみさん:

「あんたね、舐めてんじゃないわよ!!
人生舐めるのも大概にしなさい!!

いい?お金で人生壊れる人が
この世にはたくさんいるんだからね

ハッキリ言ってあんたは手遅れ
もう転落してる。
気付いてないだろうけど。

その歳でこんなに借金作って
しかも消費者金融、カードローン
キャッシング?

あんたどうやって返していくわけ?」

葉山:「……」


閉じた口が塞がらない、、、
あ、
そもそも開けることすら
できてなかった。


ゆみさん:

「この借金を返すために
いくら稼がないといけないか?
あんたは分かってんの?

ろくな仕事にも就いてないのに
どうやって返していくわけよ?」

葉山:「……」

ゆみさん:

「あんたに選択権はない
さっさとこのお金を使って
金利の高いところから
全額返済してきなさい!!!

分かったか!!!!!」

葉山:「は、は、はいいいいいい!!!」

葉山:「このお金で金利の高いところ返済してきます。
   そして、このお金もかならずお返しします。
   ありがとうございますうううううう😭😭」


完全に観念した瞬間だった。


御奉行様に連れ出された罪人が
俺は悪くねー!!!
と言いながら足掻きまくった結果


桜吹雪の紋紋を拝まされた瞬間の
罪人と同じ顔をしていたと思う。



ゆみさん:「あんたはまだ分かってないようね。」

葉山:「え??」

ゆみさん:「このお金を受け取るというのが
     どういう意味か、分かってないってこと。」

葉山:「えっと…」

ゆみさん:「これで、
     あんたの自由はなくなったってこと。」

葉山:「はい?自由がなくなった??」


ゆみさん:

「このお金もしっかり返してもらいます
ただし、今やっている怪しい金融も
ネットワークも全部辞めてもらいます。

私の旦那のお店で働くか
私の会社で働くか

決めてもらいます。

そこで働きながら
この200万円もしっかり
返済しなさい。

そして、
今回全額返済するところ以外は
毎月返済日に返済した
明細書を持ってきなさい
毎月の光熱費の支払いも
領収書を持ってきなさい。

生活を一からやり直し!!!!!

分かった??」

葉山:「は、はい、、、」

ゆみさん:「よ〜〜し
     それじゃご飯食べに行こうか!」



そうだった、
夕食をご一緒するために
お邪魔したんだった。

今からご飯…
いやいや喉を通る気がしません。



諸々整理がしたい、、、
帰りたい、、、


そんな気持ちだったが

ゆみさん:「ご飯食べた後に
     私の旦那さんのお店に行くからね

     銀座でサパークラブやってるから
     そこで職場の雰囲気を見なさい。」

葉山:「はい、分かりました。。。」

ゆみさん:「そうそう、サパーって言っても
     そこね、若い男の子じゃなくて
     オカマしかいないから!気をつけて!
    
     んじゃ、行こうか!」



終わった、、、、、、

お、お、お、オカマ???

食事をして、オカマ???



俺の人生、、、
どっちにしても終わった気がする。。。



オカマになるの?あたし、、、

続く

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