シムラタケシ編①:新宿

葉山

こんちは!葉山です。


今日から新しいストーリーと
実体験からの学びを
シェアしたいと思います。


この物語は
俺が営業職に就く前
ほんの2〜3か月間の出来事です。










新宿南口
京王線の改札から出た俺は
とある喫茶店に向かっていた。



時間は19時過ぎ


俺は、毎日のように
この喫茶店に通っていた。



格別に美味しいコーヒーが
飲めるわけでもなければ
気に入った女の子が居たわけでもない。


とあるグループの集まりに参加するために
毎日のように通っていた。



16歳でBAND活動を始め
「絶対デビューしてやる」
と、高校卒業と共に上京し


1999年秋には
念願のCDデビュー目前だった。


1997年の結成から
1年で100名規模のワンマンLIVE
2年でメジャーデビューというのは異例の速さだった。


高校生の頃から夢を見ていた
全国のLIVEハウスでのツアー
雑誌掲載や音楽番組の出演が
目前に迫っていた。


ところが
そんな夢に見た生活とはかけ離れ
俺は毎日のように喫茶店通いをしてるってわけだ。



人生はいつどうなるか分からない。



当時世間は
ノストラダムスの大予言が
TVや雑誌で取り沙汰され
恐怖の大王が本気で降ってくると
信じている人も多かったが


実際には何も起こらず


2000年ミレニアム問題も
特にこれといった事件は起こらなかった。


そんな中
俺はBANDの解散
音楽業界からの離脱



BANDメンバーと
共同生活をしていた家も離れ
家なき子になった俺は


当時通っていた
ボイストレーニングの先輩の
実家に転がり込んだ。


あれだけ騒いでいたのに
世の中は何にも変わっちゃいない
変わったのは俺の人生だ。


こんなはずじゃなかった。


そんな思いがずっとグルグルしていた。


♫にーっぽーんのみらいは
wow wow wow wow
せっかーいがうらやむ
yeah yeah yeah yeah♫



TVをつければ
俺より何コも年下の女どもが
キャピキャピはしゃいでやがる。


クソ、、、




めっちゃいい曲じゃん…
踊ってまうやろ…



俺にもこんな曲が作れれば…


そんなことを思いながら
2000年を迎えたのだが
俺は何もやることがない
というか、歌うこと以外に
やれることを見つけられなかった。


引越しのバイトも1日で辞めた。


いつまでも先輩の実家に
お世話になるわけにもいかない。
だけど何もやる気が起きない。


そんな時、先輩が
「お前の実家にいくか?」


と提案してくれたことをきっかけに
俺は先輩と一緒に熊本へと帰り
実家の中華料理屋を手伝いながら
夜の街でストリートLIVEをしていた。



1か月ほど熊本で過ごした頃だろうか。



「もう一度、東京に戻るか」



俺は先輩と東京へ戻り
笹塚に家を借り、2度目の東京生活を始めた。



東京生活の話の前に
先輩についてもう少し話しておこう。



この先輩、今はどこで
何をしているのかが分からない


東京へ戻った2年後くらいから
行方が分からなくなってしまった。



ボイトレに通っていた同期や
他の先輩に尋ねてみたが
誰も行方を知らなかった。



ところが、とある先輩から
耳を疑うような話が飛び込んできた。



「やっちゃん(先輩・仮名)さ
なんか怪しいお金に手を出してしまったらしく
そこから行方不明になったらしいんよ…

実家も引き払ったんだって。」



その話を聞いた時
俺はある人物の顔が思い浮かんだ。


やっちゃんの幼馴染だ。


やっちゃんの実家に転がり込んだ時
2回ほど会ったことがあるくらいだが
宝石やジュエリーの販売をしていると言って
どこか怪しげな雰囲気を放っていた。



そして、やっちゃんが
その仕事を手伝うことになった
と話を聞いていたからだ。


今もどこかで
『生きている』と信じてやまない。


なぜこんな話をしているのか?


今回の体験談で
俺が伝えたい学びは
『お金』に関することだからだ。



お金は人生を豊かにもすれば
転落させることだってある。



そして俺自身
このお金というツールに
何度も向き合わされてきた。



そのことを体験談を通して
伝えたいと思っている。



今回の物語、、、
少し長くなりそうだが
最後までお付き合いいただけると嬉しい。



さて、
話を2度目の東京生活に戻そう。


笹塚駅徒歩7分
1Kロフト付きの部屋を借りた俺は
日雇いのバイトをしながら
楽曲制作をしていた。


アコギ片手にMDに
歌を録音しながら
誰に聴かせるでもない
曲を作っていた。


日雇いのバイトは
・引越し
・養生
・ポスティング
・イベント設営
・建築現場
など力仕事が多かったからか
月の半分も働けば
生活できる程度の給料になっていた。


そんな生活を続けて
数ヶ月したある時


宮本という男に出会った。


そして、宮本は

「日雇いよりいい仕事あるけど
興味あるなら紹介するよ!」


と言ってきた。



なぜ俺が毎日のように
新宿の喫茶店に通うようになったのか?


それは、
この宮本に会うためでもあった。






宮本と出会って数日後
俺は指定された喫茶店へと向かった。


カランコロンカラン


古びたベルの音が店内に鳴り響く。


初めて入る薄暗い喫茶店
新宿にこんなところがあったんだ…


そう思い店内を見渡すと
宮本がアイスコーヒーを
飲んでいるところだった。


葉山:「宮本さん、こんばんは!」

宮本:「あー!葉山くん、よくきてくれたね!!」

葉山:「先日の仕事の話なんですが…」

宮本:「うん!まぁ、ここに座って!!」


そうやって宮本は
『いい仕事』の話を始めた。


続く


PS.登場する人物は全て仮名であり
仕事内容も若干変更しています。

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